ここまでは権利の主体①の自然人(人のこと)を説明してきたけど、
権利の主体者としては当然法人もあります。
権利の主体② 法人
法人も権利の主体者なので当然登記を申請することができる。
が!
ちょっと区別がわかりにくいのが「権利能力なき社団」というやつ。
たまにホテルや会館とかで「〇〇大学△期卒業生の集い」みたいなの見ますよね?
こういう学校の同窓会団体のような社団は登記をしていないため権利能力がないので注意!
つまり登記の申請人にもなれないということ。
そして権利能力なき社団の財産は、社団の構成員の「共有」ではなく「総有」に属するとされている。
総有:みんなのもの。持ち分の概念がない。
共有:それぞれの持ち分が決まっている。(2分の1ずつなど)
社団名義の登記は否定されていて、さらに代表者名義(〇〇大学同窓会代表トチタローなど)での登記もできない。
代表者名義の登記はOKだけど社団代表の肩書がある場合はダメということ。
だけど構成員全員の「共有」名義では登記することは可能。
地縁による団体も権利能力なき社団の一つ。町会、自治会など。
これらも本来は登記はできない。
が!
町会で町会会館などは所有する場合、市町村長の認可があれば(町会の名義で)登記することが可能。(不動産登記法の範囲)
まとめると
・社団(〇〇大学同窓会など)も町会も基本的には権利能力がない。
・社団は代表者名義の登記ならOK
・町会は市町村長の認可があれば登記可能。
ということ!
物
権利者が売買する客体、すなわち「物」。要は商品とか。
有体物のこと(気体・液体・個体)
電気、熱、光などのエネルギーや発明、著作物などの知的創作物は物には含まれない。
つまり目に見えるものが「物」。
物の種類
物には2種類ある。
①不動産
不動産とは?
→土地およびその定着物(土地に固定されてるもの。建物とは言ってない)
※ただし不動産登記法では土地または建物を不動産と定義している。(ので門などは不動産からは外れる)
不動産登記法的には、登記するためには完成した建物である必要はない。(床や天井を備えている必要はない)
が!
居宅として使われるか、倉庫として使われるかを判断する必要がある(登記時に必要)ので、用途が明らかな場合は床や天井がなくても登記できるが、用途がわからないのに登記することはできないので注意。
そして土地の上に生育するものはその土地の一部とみなされる。(木など)
さらに、土地よりも木の方が価値が高い場合があるので「木」自体を取引の対象にする法律(立木法)がある。つまり木を登記することができる。
この場合土地とは別の不動産として取引できる。
凄いな、、。
②動産
動産とは?
→不動産以外の財産のこと。
金銭は動産だけど、価値自体に意味があるため動産に適用される規定の多くが適用されない。
主物と従物
主物:本体になる物
従物:主物に従属して継続的にその効用を助ける物
例:blue-rayケースが従物でblue-rayディスクが主物/母屋が主物で納屋が従物など
主物と従物の関係
従物は主物の処分に従う。
要するに主物が処分される時に一緒に処分されるということ。
不動産の例だと、
Aさんの土地にBさんが借地権(お金を払って他人から土地を借りる権利)を設定して建物に抵当権(万一返済できない場合、土地や建物を担保とする権利)を付けたが、結局お金を返せずに建物が競売された。
この場合、競り落とした人は建物だけではなく権利的な従物である借地権も手に入れることができる。
というわけ。
元物と果実
りんごの木(元物)と、りんご(果実)の関係
果実には二種類ある。
①天然果実
いわゆる果物(りんごなど)。元物から作られたもの。
元物(りんごの木)から分離する時、りんごは木を持ってる人のものになる。
②法定果実
賃料のこと。(りんごの木からりんごが取れるように、アパートからは賃料がとれる)
なんか上手いこと言おうとしてる感が凄い、、。
ちなみに法定果実は日割り計算により取得する。
AさんがBさんにアパートを売ったけど、アパート住民から集金する時にBが持ってたから全てBのものというわけではないよと。