勉強法とか

2020年(令和2年度)土地家屋調査士試験の感想

こんにちは、お久しぶりです。

いや~、、

すっかり半年もブログ更新をサボってました。

自分の勉強用に作ったものの、なんやかんや一日数十人が訪れてくれる日もあるなど、ニッチな分野ながら微かに需要はあるんですね、、。

と、いうのは置いておいて、

勉強したポイントを人に説明できるようにブログに書き起こしたら自分の記憶として定着するのではないか?

と思いブログに着手したわけですが、不動産登記法に入ったあたりで

あ、これ結構大変かも、、

というわけで、更新途絶えておりました()

ただ勉強自体をフェードアウトしたわけではもちろんなく、コツコツと継続しておりました。

今、ある程度知識のある段階の方が有意義な形で文章にまとめられそうなのでまた落ち着いたら論点をピックアップしようと思います。

で、

先日、10月18日(日)、ついに土地家屋調査士試験の本番を迎えたわけなので、それについて書こうかなと。

※合格しました。(下記記事参照)

【合格】令和2年度土地家屋調査士、筆記試験合格しました。こんにちは。 本日は手短に。 10月18日の令和2年度、土地家屋調査士試験から約2ヶ月半。 長いようで短く、いや長く、...

コロナの影響で測量士補試験が延期に

土地家屋調査士試験自体は午前の部、午後の部と分かれていて、なおかつ99%近い受験生は測量士補などの資格をすでにGETして午後試験から臨む。

というのがお決まりのパターンだったんですよね。

例年測量士補試験は5月、土地家屋調査士試験は10月なので日程的にも1年での一発合格は理論上可能。

ということで自分も当然5月の測量士補試験を受けるつもりでいました。(というか願書を1月に提出済)

が、

御存知の通りコロナウィルスが猛威を振るい、外出自粛、リモートワーク、挙句の果てにオリンピックも延期されるなど、

俺たちの2020年こんなはずじゃなかった、、

って愚痴りたくなるほど多くの物事に影響を与えまくっていましたね、、。

例に漏れず各種資格試験も続々と試験日程を延期。

5月に予定されていた測量士補試験も11月に延期、、

つまり午前試験免除を受けられず、未知すぎて参考書も全くないという土地家屋調査士午前試験を受けざるをえないという状況に、、。

まあこうなったからには仕方ないということで、しっかりそちらの勉強もしました。

というか、試験の内容自体は測量士補と同等レベル、あとは過去問対策してれば十分対応可能という所感でした(むしろ電卓使える分時間にはかなり余裕あり)。

各種予備校も流石に哀れかと思ったのか急遽午前試験の過去問対策講座も作ったりして。

そもそも午前試験まで時間を回している暇がないということなのか、コロナで資格試験なんか目指してる場合じゃないということなのかは分かりませんが、

受験者数も明らかに減。

出願者数

2017年:5,837人

2018年:5,411人

2019年:5,270人

2020年(今年):4,646人

というわけで、元々減少傾向にあった出願者が一気に10%近く減ってしまいました!

他の資格の受験者も顕著に減ってたのでやはりコロナの影響なのは明らかですね。

(2005年が8,307人なので本当に半分近くになってしまっていますね)

「よっしゃ~」と思いたいものの、結局相対試験なので、自分が合格レベルまで到達してないとダメなんですよね。

というわけで黙々と勉強継続。

試験当日

で、とうとう10月18日(日)の試験本番を迎えました。

自分は青山学院大学で受けたんですが、どうやら他の資格試験も同時に行われているらしく、資格予備校のスタッフが賑やかな感じ、、。

木漏れ日に包まれる青山学院、、。

いざ試験会場。

受験番号と教室の記載。

1~163番が午前試験からの受験者だと思われるので、一番人数比率の多い東京会場でこれだと全国だと午前試験を受けてる人数はざっくり400人くらいでは?という推測。

例年受験生の1%程度しか受けないらしいので受験者数は数十人→一気に数百人になったという感じですかね。これは採点側もまあまあ大変そう。

※ちなみに番号1桁~100番台程度が午前試験受験者と考えると、法務省の過去の合格番号発表を見る限り午前試験と午後試験をパスしてくるのは例年1人いるかいないかなんですよね、、超レア。さすがに今年はある程度いる気はしますが。

で、9時頃に教室入るとすでに結構埋まってるという。

あれ、受験票には9時試験場集合って書いてあったんですけど、、(試験は9時半~)

っていうか軽く試験の説明始まってるし、、。

というわけで、来年の受験生はもう少し早く行っても問題なさそうです。

試験15分前くらいに

「え~今からこの部屋を出ることはできません」

と、唐突に監禁宣言されるのでトイレなども済ませておきましょう。

合格者の平均年齢はジャスト40歳近くということですが、周りを見渡しても概ね40歳~50歳くらいの方が多めかな~という印象。

むしろ20代くらいの人は殆どいないような、、。あくまでパッと見ですが。

そんなこんなで試験開始となりました。

そうそう、解答用紙への受験番号と名前の記入ですが、自分はてっきり試験開始後に記入かと思ってたら、試験監督が

「今から受験番号と名前を記入してください」

とその時間をとってくれました(午前、午後共通)

模試なんかでも本番を想定してわざわざ試験開始から名前記入してたんですが、ここは有り難いポイント。

あと、「電卓のカバー外してください」というのは事前にネットの情報で得ていたので自分は外した状態で使うようにしてたのですが、

結構多くの受験生が「え?」という表情でカバー外してました。

そこまで影響はないと思うけど、練習の時と感覚が違うとテンパっちゃったりしますからね。これも参考までに。

というわけで試験スタート。午前試験自体は時間に余裕があることは把握してたので割とリラックスして受けられましたね、

が、

寒い、、寒すぎる、、。

何かというと、コロナ対策と銘打って教室の窓が全部開けっ放し状態なんですよね。

で、10月の中旬ということでもう十分寒いわけです。

運の悪いことに自分は一番窓側の席だったのでその影響をもろに食らうと。ほんと手がかじかんで若干ピンチだった、、。

(前の席の人、気合い入れてか半袖だったけど大丈夫だったのだろうか、、)

おまけに大学生の部活の「そ~れッ、そ~れッ」とか掛け声が聞こえてくるわけ。

まあ特に影響はなかったけど、そういうこともあるということで、、。

一応試験後に寒いので閉められないか聞いたら、

「あ、わかりました」

とか。

だったらさっさと閉めんかぁい!

さて、手応えはまぁまぁあったので特に動揺することもなく昼休み。

午後も同じ教室で受けるわけですが、さすがにみなさん殆ど文房具を仕舞ってましたね。

盗まれたらシャレになんないもんね。

昼休みは特にテキストを読むでもなく昼飯のおにぎり食べた後はラムネとキャラメルなめてましたね。(脳に糖質を供給)

午後の試験30分前くらいに試験官が再び入ってきて午前と同じ試験説明。ここも20分前くらいには退出できなくなるのでトイレにはしっかり行っておきましょう。

ほかの教室でもクレームがあったのか、窓は30分ごとに開閉するとのこと。あと午前試験でもあったけど、試験中はマスク必須なので試験官が顔確認のために試験中に肩トントンしてマスク外すのが2回あると。

というわけで午後試験開始。

窓閉めてくれたおかげか寒さはそれほど気にならなかったですね。

全集中の呼吸でなんとか時間内に全ての答案用紙を埋めて終了。

他の受験生に混じってぞろぞろと帰宅。

青山学院の門のところでは各種予備校が

「○時から解答速報やりま~す」

の看板掲げてPR。やっぱり予備校からしたら試験直後の受験生って弱ってるから良いターゲットなんですかね、、?

とりあえずさすがに疲れたのでまっすぐ帰宅。

2020年(令和2年度)土地家屋調査士試験を振り返って

というわけで肝心の試験の出来はどーだったのよ?

ってところなんですが、まずは個人的な総評をば。(もちろん初受験なので過去問や模試と比べた所感)

午前試験:対策してれば割と簡単だったのでは?

午後試験:うほッ、これは骨がある問題やな、、。

という感じ、午後試験に関してはネットでも結構お通夜な雰囲気でしたね、、。

それでは個別に。

午前試験

参考書も存在しない未知なる試験だったんですが、蓋を開ければ例年どおり過去問や測量士補試験と同レベルの問題が多く、対策をしてきた人にとっては取りやすい問題だったのではないかな~というところ。

ただし例年と比べて午前試験受ける勢=それなりに本気なわけで、基準点も高くなる気はする。

※基準点:この点以下だとその時点で不合格という点数

択一10問+記述4問(と作図)という構成なのですが、

予備校の解答速報見る限り自分は

択一:9問/10問

記述:4問/4問

作図:おそらく問題なし

ということで、ここは間違いなくパスしてるかなと。

というわけで一応11月に測量士補試験があるわけですが、これは受けなくていいかなぁと。

※午前試験合格してると仮に午後でダメだとしても翌年以降の午前試験はパスできる

ちなみに測量士、測量士補試験ですが、今年コロナの影響で延期になったためか、来年度以降の実施は8月になる可能性があるそうです。

ということは8月に受けても結果発表は10月頃なので、土地家屋調査士試験の願書提出が7月後半~8月前半頃ということを鑑みても1年で測量士補とのダブル合格プランは実現しなくなる恐れがありますね。

つまり1年で土地家屋調査士試験に合格したいなら午前試験も受けるのがデフォになるかも、、?

午後試験

で、問題の午後試験です。

択一(20問)+土地(記述)+建物(記述)

という構成なのですが、まずは択一から

択一

択一をさらに細分化すると

1~3問:民法

4~19問:不動産登記法

20問:土地家屋調査士法

となっているんですが、明らかに民法のレベルが上がったなという感想。

民法は概念的な文章が多いので試験開始直後の頭が冴えていない段階で取り組むと余計に時間を使ってしまう恐れがあるので自分は4問目から解くようにしてるんですが、

なんと今年は4問目もムズかった、、。

というわけで、急遽5問目から解くことに決定。(実を言うと5問目もムズく、6問目から例年並の難易度に)

ややリズムを崩しかねませんでしたが、難しい問題を除いてはさっさと答えが出せる問題ばかりだったのでまあよかったのかなと。

ちなみに解答に関しては大手予備校同士でも答えが食い違う(後に統一)など、難しい問題に関しては講師でも微妙なラインのものが多かった印象。

難しい問題はとことん難しかったけど、他はそうでもないということで、基準点は昨年同様13問(32.5点)か12問(30点)くらいになるのではと勝手に予想。

ちなみに自分は17問/20問でした。

過去問でも安定して18問程度は取れるようになってたので、自分としては17問が及第点、最低でも16問は取りたい。18問とれれば御の字くらいに思ってたのでまずまずかなと。

※冷静に振り返ればあと1問できた気もしなくもないですが、記述の問題が難しかったので見直しの時間もなく、、。まあここは仕方ないですね。

土地

自分は建物→土地の順番で解くようにしてるので実際には順序としては最後なんですが、土地の問題。

正直かなり焦りましたね。

ヤバい汗めっちゃ出た。

というのも建物が思いの外ムズかしく、通常過去問なども50分以内には解答できてたのですが、なんと1時間以上かかってしまったという、、。

土地の問題に取り掛かった段階で残り50分ちょっとだったので最初から結構焦ってましたね。

加えて午前試験からの疲労もピークに来てたので、なんかもう意識がフワフワしてました。

建物もそうですけど、今年の問題は全体的に本質にたどり着くまで読解力を要するんですよね。必要ない情報の文章が紛れてたり、資料から類推したり。

単純に知識だけではなくて入試の現代文やSPIの資料の読み取り問題のような総合的な読解力を問われているような気がしました。

登記の目的としては分合筆登記というオーソドックスなもので、自分は今年は表題登記か分合筆登記がくるのではと予測していたのでここはよかったんですが、(あと解答用紙の欄の数からして明らかに分合筆ぽかったという)

肝心の座標がわからん、、。

おそらく殆どの受験生は基本的な交点計算や三角形の相似など、ある程度練習を積んで臨んでるのは当然だと思うんですが、一言でいって今年の座標計算に関しては、

閃けるか

もうこれだけだった気がします。

頭の体操的な。蓋を開ければ「あーそうかぁぁぁ~!!」ってなるやつ

自分も座標算出に関してはある程度自信あったんですが、解き方がイメージできずマジで焦りました。

っていうか、

今年の出来事が全部フラッシュバックしたと言っても過言ではない。

もうこの時点で残り20~25分くらいでしたから。申請書も書き終わって地積測量図の作図に移ってないとしんどい時間帯。

で、ダメ元で色々方向角出してみたりしたんですが、、

あ、、

おっ、、

いけるやん。

ということで神が降りました。

その時の心の中。(リアル)

というわけで、起死回生の座標算出できました。

多分これ出せてなかったら今頃ブログ書く気力ないと思う()

実を言うと穴埋め問題(登記識別情報に関する)も見た瞬間は冷や汗ものだったんですが、なんとか全部埋まりました(っていうか全部合ってるっぽい)。

というわけで、絶望の淵から生還して土地に関しては合筆後の地積を登記記録の数値と合算しなかった点を除いては(あとはミスしていなければ)ほぼ完璧にできたっぽい。

実際の採点基準は公開されないので分かりませんが、最低でも23点は取れたのではないかなと。(違ってたら恥ずかしい、、)

建物を先に解くというルールを破らなかったのが功を奏した形になった気がしますね。

おそらく「建物難しそうだから土地を先に解こう」→「土地もムズいやんけ!」

になってて焦って座標出せなかった気がします。

建物

順番的には択一終了後に解いたのが建物の問題。

いや~一言でいうと、

ダルいよ。

文字数多い、資料(登記記録)読ませまくる、推理させる。挙句の果てに「建物図面に記載する小数点は第1位まで」(通常は小数点第2位まで)とかいうクリティカルな一文をこっそり忍ばせてるあたり非常にいやらしかった。

前述の通り、全体的に本質にたどり着く(登記の目的は何なのか等)までに時間をかけさせる問題になったなという印象。

おそらくここ数年易化で高得点争いになってたのでここらで傾向を変えようという感じでしょうね。

自分としても今年は測量士補取れないから諦めた組は最初から参戦しない=割と高いレベルの争いになる感じはしてたので、難化するんじゃないかな~とは思ってましたが、一気に受験生を殺しにくる感じになりましたね()

で、出来はというと、

致命的なミスはしてない(と思う)けど、ポロポロ落としたな。

という所感。

まず建物滅失登記。

添付書類に変更証明書つけてない(東京法経学院の解答だと変更証明書はなしだけど)、

建物の構造欄ミス(ここは多くの受験生が取ったと思うので痛い)

建物表題登記に関しては建物図面作成ミスからの所在の地番ミス(多分ここが一番大きなミス)

外壁からの距離は適切(かつ小数点第1位まで)にしてるとはいえ、最悪5点くらいの減点は覚悟したほうがよさそうですね。

あと原因欄に増築を入れていない(建物表題部変更登記になると思ってあえて入れなかった)

という感じ。

床面積&各階平面図は絶対間違えられないポイントだった(芋づる式に減点される)のですがここは取りきったかなと。

あと、えい行移転の登記申請の有無と理由も特に問題はないかなというところ。

というわけで、所在ミスったのが非常に痛いんですが、全体としては15点くらいは取れてるんじゃないかなと(これも正確にはわかりませんが)

とにかく床面積は間違えないでよかった、、。(壁厚考慮する必要があったので)

建物は予備校によって答え違ってましたね。

前述の通り滅失登記に変更証明書を入れるか否か、建物の種類を「店舗・共同住宅」とするか「店舗・共同住宅・居宅」とするかなど。

例年は分かりませんが、それくらい微妙な問題が多かった気がします。

総評

さて総評ですが、予備校講師陣やネット上の反応を見る限り、

全体としては明らかに難化した。

と見てよいのではないかなと。

とはいえ結局相対評価なので点数自体は関係ないんですけどね。

去年の基準点が

択一:32.5点

記述:33点

合格点:76.5点

だったんですが、

少なくともこれより下がることはあっても上がることはないんじゃないかな~。

という勝手な推測。

というわけで個人的には基準点は

択一:32.5点

記述:30~32点

合格点:75点

くらいなのでは?という感じ。

・択一16問以上

・土地の座標が全部出せた

・床面積を間違えなかった

あたりのポイントを押さえていれば割と期待できる気がしなくもないです。

というか願望含む(真顔

というわけで初めての土地家屋調査士試験を受けてきました。という話でした。

あとは1月の合格発表を座して待つのみ、、。

とりあえずお疲れさまでした。

ではでは!