今回はGNSS測量に関して。
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GNSS測量
スタティック法
既知点と新点の複数の観測点にGNSS測量機を整置し、同時に4衛星以上の信号を受信し、基線解析をすることで観測点間の基線ベクトルを求める観測法。
最も精度が高い方法で、1-2級基準点測量ではスタティック法しか使用することができない。
短縮スタティック法
高速スタティック法とも呼ばれる。
観測時間短縮のために基線解析において衛星を多く組み合わせるなどの処理をする。
3-4級基準点測量でしか使えない。
キネマティック法
既知点にGNSS測量機を固定し連続して観測を行い、他方のGNSS測量機を複数の新点に順次移動しながら各点で観測を行い、観測後に基線解析をすることで既知点と新点間の基線ベクトルを求める観測法。
3-4級基準点測量でしか使えない。
RTK法
リアルタイムキネマティック法の略。
キネマティック法と同様にGNSS測量機を配置するが、移動観測時に観測データを小電力無線機などで固定観測点に送ることで、リアルタイムに基線解析をすることができる観測法。
3-4級基準点測量でしか使えない。
ネットワーク型 RTK法
電子基準点のリアルタイムデータ背信業者が算出し背信している補正データを小電力無線機などにより移動観測点で受信することにより、リアルタイムに基線解析をすることができる観測法。
GNSS測量機1機での観測作業が可能。
3-4級基準点測量でしか使えない。
GNSS測量における注意点
上空視界
上空視界を妨げるような障害物のある場所では観測をすることができない。
電波障害
観測点の近くに強い電波を発する物体(高圧線・テレビ電波塔・レーダー・通信局)があると電波障害をお越し、観測精度が低下することがある。
※エンジンがかかっている車も電波を発生させる
マルチパス
観測点の近くに金属製品や高層建築物がある場合はマルチパス(多重反射)を生じる可能性がある。
衛星から直接到達する電波以外に電波が構造物などに当たって反射したものが受信される現象のこと
仰角の低いGNSS衛星を使用すると、マルチパスの影響を受けやすく観測精度が低下することがある。
水平面から上にある物を見る視線と、水平面とがなす角。
アンテナ
アンテナの位相特性による誤差の軽減のため、アンテナの向きは各点で揃えて整置する。
※高さを揃える✕ 向きを揃える◯ の問題が出る
時計
GNSS測量機に内蔵されている時計は、GNSS衛星に搭載されている時計と比較すると精度が低いが、時計誤差は基線解析を行うことで消去することができる。
衛星測位システム
日本は準天頂衛星(QZS)を使っている。
GPS・準天頂衛星
スタティック法:4衛星以上
スタティック法以外:5衛星以上
GPS・準天頂衛星およびGLONASS衛星
スタティック法:5衛星以上
スタティック法以外:6衛星以上
※GLONASS衛星も加えて観測する場合は、それぞれ2衛星以上用いなければならない。
準天頂衛星
GPSが地球全体をカバーするように地球を周回するのに対し、準天頂衛星は日本を中心としたアジア・オセアニア地域での利用に特化した軌道を持つ。
軌道は南北非対称の8の字となり、北半球に約13時間、南半球に約11時間とどまり、日本付近に長くとどまるよう設計されている。
衛星の配置
衛星からアンテナまでの距離の誤差が観測に与える影響を少なくするため、衛星は上空に可能な限り広がり、片寄らない配置であることが望ましい。
電離層と対流圏
電離層や対流圏を通る際に速度が変化することで誤差が発生する。
仰角が低い衛星を使用すると横断距離が長くなるため電離層と対流圏による誤差が増大する。
電離層:特に10km以上の長距離基線の場合影響がある。
→2周波で基線解析を行う必要がある
対流圏:影響は周波数に依存せず、2周波の観測により軽減することができない。
→基線解析ソフトウェアで採用している標準値を用いて近似的に補正を行う。
ネットワーク型RTK法では基準局の観測データから作られる補正量などを取得し解析処理を行うことで軽減ができる。
電子基準点の注意点
GNSS衛星からの電波を24時間受信して位置情報を観測する基準点を電子基準点という。
GNSS測量機のアンテナと同様、衛星からの電波を受信していないと正確な位置を示すことができない。
そのため、電子基準点を既知点として使用する場合は事前に電子基準点の稼働情報を確認しておく必要がある。
1-2級基準点測量において、近傍に既知点が無い場合は、既知点を電子基準点のみとすることができる。
基線ベクトル
GNSS測量で観測される基線ベクトルは、点間の相対的な位置関係である。
測量士補試験では、ベクトル成分から2点間の三次元上の斜距離を計算する問題が出題される。
座標値を書いて図にするのがポイント。
その後まず斜辺の長さを算出。(ピタゴラスの定理)
斜辺の長さを出したら高さを加えて再度斜辺の長さを算出。
※最後に100mをかける。
正解は3となる。