多角測量の続き。
鉛直角の観測
真上から目標にかけての角度を鉛直角という。
試験では鉛直角ではなく、水平から目標までの角度(高低角)を問われるので注意。
過去問
まず鉛直角の最確値を算出する。
点A
360°ー296° 40′ 35″=63° 19′ 25″
これと63° 19′ 27″の平均を出す。
(63° 19′ 25″+63° 19′ 27″)÷2=63° 19′ 26″
同様に点Bの平均は40° 35′ 13″
そこから高低角を出すためには90°から鉛直角を引く。つまり
点A
90°ー63° 19′ 26″=26° 40′ 36″
点B
90°ー40° 35′ 13″=49° 24′ 47″
次に高度定数の較差を求める。これは360°との差なので
点A
(63° 19′ 27″+296° 40′ 35″)ー360°=2″
点B
(319° 24′ 46″+40° 35′ 12″)ー360°=-2″
較差は
2-(-2)=4
となる。
以上から回答は4となる。
間接水準測量
両差を考慮するのがポイント。
球差と気差を合わせたもの
①既知点から新点を観測
この場合は最後に両差を加える。
解き方
①+②ー③ー④+両差=Aの標高
②新点から既知点を観測
解き方
この場合は最後に両差を引く。
①+②+③ー④ー両差=Bの標高
③同時観測によるもの
この場合は両差は考慮しない。(観測結果を平均すればよいため)
①既知点から新点を観測:両差を加える
②新点から既知点を観測:両差を引く
③同時観測によるもの:両差は考慮しない
過去問
まず問題文にある数値を図に記入していく。
分からない距離は三角関数で算出する。
つまり1200×sin-3°=-62.808m
全て式に入れる。(この場合既知点から新点を見てるので両差0.1mを加える)
250m+1.5m-62.808m-1.7m+0.1m=187.092m
正解は最も近い3となる。
多角計算
測量によって得られた角度と距離を用いて既知点から新点の座標値を求める計算。
まずは図を書いてみる。
つまり三角関数を使ってcos=X軸の距離、sin=Y軸の距離を出せばよい。
cos60°×200m=100m
既知点はX=500mの距離にあるので500m-100m=400m
sin60°×200m=173.206m
既知点はY=100mの距離にあるので100m-173.206m=-73.206m
よって一番近い正解は4となる。
方向角計算
間の点の方向角を順次求めていく。
解き方は下図の通り。
諸々の計算をし、回答は4となる。
点検計算
距離の補正計算
測定距離に比例する
・気象(気温・気圧・湿度)
・変調周波数誤差
測定距離に比例しない
・器械定数誤差
・器械致心誤差
・反射鏡定数誤差
・反射鏡致心誤差
・位相測定誤差
気象補正
気温が高くなる:観測距離は短くなる(影響大)
気圧が高くなる:観測距離は長くなる(影響少)
偏心補正計算
既知点と新点の間に障害物がある場合、それを避けた点を観測し、そこから新点までの距離を求める。(あるいは既知点をずらす)
問題1
まず、図に数値を入れ、正弦定理を使い計算する。
次に、算出したsinθにラジアンをかける(②)
最後にT’からθを引いてTを算出する。
45°37′00″-4′=45°33′00″
よって、正解は4となる。
問題2
これもまず図に数値を記入する。
余弦定理の公式でも解けるが、簡略化して微小角として計算する。
S=S’となるので、上の計算どおり850mに近くなる(あくまで近い数字)
一番近い3が正解となる。
座標の点検計算
測量で観測される座標値はあくまでも最確値なので、標準偏差を利用することで最確値の精度を確認することができる。
解き方は下記の通り。まず差を出すのがポイント。
①で差を出し、さらにそれを平均(②)→その平均の差を最初の差から引く(③)
あとは標準偏差の公式通り。
差からさらに差を出すのが少しややこしいポイント。
正解は2となる。