測量士補

【測量士補試験】数学①

土地家屋調査士の午前試験免除のための測量士補試験について。

測量士補

測量=地図を作成すること

地図を作成するための計画を作成できるのが測量士であり、測量士の作成した計画に従い、作業に従事できるのが測量士補

なぜ資格がある?

→地図は極めて公共性が高く、精度が求められるため

測量士、測量士補は平面測量の技術をもっていることが証明されるため、土地家屋調査士試験の午前試験が免除される。

試験科目

基準点測量

さらにそこから地形測量(こちらがメイン)、応用測量(道路を作ったり川の整備など)に大きく分かれる。

①測量に関する法規(基本のルール)

②多角測量

③GNSS測量(いわゆるGPS)

④水準測量

↑ルールに従い、基準点を設置するためのもの

GNSS

GNSS(Global Navigation Satellite System / 全球測位衛星システム)は、GPS、GLONASS、Galileo、準天頂衛星(QZSS)等の衛星測位システムの総称

⑤地形測量

⑥写真測量

↑設置された基準点を用いた測量

⑦地図編集

↑最終的に地図を作成する

⑧応用測量

合格基準

1問25点、合計28問出題で700点満点。

18問以上正解すれば全員合格。なおかつ絶対評価。

つまり6割ちょっと取れれば良い。合格率は30%強。

測量という性質上、計算問題が多く出題されるが近年は減少傾向にある。

ただし、全く計算問題を避けて合格するのは難しい。

携行品は筆記用具と直定規のみで電卓の持ち込みができないので筆算に慣れておく必要がある。

また、過去に出題された内容が繰り返し出題されやすい傾向がある。

計算問題もパターンが決まっており、過去問対策が重要。

測量に関する数学

レベル的には中学程度。

一般的な整数の他に、測量では小数や分数を用いる。

また、特殊な数として累乗と平方根がある。

累乗

ある数をある回数だけかけ合わせた数のこと。

X^nと表される。

2^3=8

1×10^-6=0.000001

→-6は0が6個つく

10^5÷10^2=10^5-2=10^3

=1000

※累乗の割り算は累乗同士で引ける

逆に

10^5×10^2

であれば、累乗同士で足して10^7と求めることができる。

平方根

平方根は√Xで表され、ある数を2乗するとXになる数を示す。

√4=2

※測量士補試験では問題用紙の巻末に関数表が付いている

ただし、1~100までしか載ってないのでそれ以外は自分で計算する。

以下の4パターンが考えられる。

√1000

=√10^3

=√10^2×10

√10^2は10、そして残った√10の関数表を見ると3.16228

つまりこれを×10したものが答えになる。

≒31.6228

その他の例

√158

=√79×2

=√79×√2

=8.88819×1.41421

≒12.56976

√0.16

=√16×0.01

=√16×√0.1^2

=4×0.1

=0.4

√0.5

=√5÷10

=√5÷√10

=2.23607÷3.16228

≒0.707107

練習問題

√210000=

√0.36=

※P4

単位

測量では観測機械を用いて距離と角度を計測する。

長さ

測量において長さはメートル法で表す。

mmからkmの単位の他にも、さらに短い長さを表す単位としてum(マイクロメートル)という単位がある。

1km=1m×1000=1m×10^3

1cm=1m×0.01=1m×10^-2

1mm=1m×0.001=1m×10^-3

1um=1m×0.000001=1m×10^-6

※1mmの1000分の1

10um=0.00001

角度

測量で用いられる角度の単位は度数法ラジアンの2種類。

度数法

いわゆる何度というやつ。

円を360等分した1つの角度を「1度」と定義しているが、測量では度よりもさらに小さな角度を測るため、1度をさらに60等分した「分」と1分をさらに60等分した「秒」を用いる。

※60進法

それぞれ、度(°)、分(’)、秒(”)の記号で書かれる。

1°=60’(1×60)

1°=360”(1×60×60)

練習問題

53° 25’ 23”-1’ 40”

=53° (25-1)’ (23-40)”

=53° (25-1-1)’ (23-40+60)”

53° 23’ 43”

53° 25’ 23”
– 1’ 40”
ーーーーー

53° 24’ 83”
– 1’ 40”
ーーーーー
53° 23’ 43”

と計算することもできる。

63° 19’ 27”+296° 40’ 35”

=(63+296)° (19+40)’ (27+35)”

=359° 59’ 62”

=360° 0’ 2”

=2”

360°で一周、つまり0になるので残った2”が答え。

43° 52’ 10″を秒に換算すると幾らか?

=43×60×60+52×60+10”

=154800+3120+10”

=157930”

ラジアン

度数法以外の角度の表し方としてラジアン[rad]がある。

ラジアンは円弧の長さで角度を表している。

円弧の長さは半径の長さによって異なるため、半径を1とした円弧の長さを基準として角度を表す。

[rad]=弧の長さ/半径

円の円周の長さはで表すことができる。(直径×3.14)つまり半径1の円周の長さは2πとなる。

円は360°なので、360°は2π[rad](約6.284[rad])に変換することができる。

1°の場合は、π/180°≒0.001745[rad]

※問題文中に与えられるので数字を覚えておく必要は無い。

測量士補試験nでは1[rad]=2”×10^5と与えれられることが多く、これをρ”(ロー秒)と呼ぶ。

※Pではない

問題では度数法とラジアンを変換する必要がある。

練習問題

円周率π=3.142とした時、43° 52’ 10”をラジアン単位に換算すると幾らか?

43×60×60+52×60+10”

=154800+3120+10”

=157930”

360°=2π[rad]なので、求める数をXとおくと、

360°:2×3.142=43° 52’ 10”:X

360×3600”:6.284=157930” :X

1296000×X=157930×6.284

X=157930×6.284÷1296000

≒0.7657

※測量士補試験ではこのような出題はされない

角度1ラジアンを2”×10^5とした時、0.0012[rad]は幾らか?

0.0012×2”×10^5=0.0024×100000”=240”=4’

※こちらの計算は大事