不動産登記法

【土地家屋調査士試験】電子申請と書類の閲覧

今回は択一で問われる可能性のある電子申請と書類の閲覧について。

細かい部分なんですが、択一では総則の部分の出題が多いので押さえておきたいところ。

電子申請

なんと電子申請については方法が4つもある。この時点で中々面倒くさい()

本則電子申請

なにもかも電子申請でよろしく!という方法。

これができたら一番ラクだけど、いかんせん紙の資料も沢山あるので中々浸透してないのが現実。

特則電子申請

できるやつは電子申請で、紙ベースの書類(添付情報)はスキャンして提出していいよ。

ただし、結局紙の資料は相当の期間内に原本提示が必要になる、、。

特例電子申請

できるやつは電子申請で、紙ベースの書類(添付情報)を申請受付から2日以内に登記所に提出(送付など)してね。

という方法。

これも結局紙の資料を提出する必要がある。

調査士報告方式

土地家屋調査士が認めた旨を記録することで添付情報の基となった書面の提示を求めない方式。

つまり紙の資料を提出する必要がない!(とはいえ全てではない)

※第三者の承諾が必要な書類は原本提示が必要

現状一番ラクな方法がこれ。

まとめ

では実際に何がOKで何がダメかを表で確認。

まず代理権限証書(委任状)。

これについては調査士報告方式ではOKとなったのが大きな特徴。

また、地役権証明書承諾書または消滅承諾書に関しては第三者の承諾とみなされるため、これは調査士報告方式では提出できない。

図面系に関しては「最初から電子申請してよ」ということで紙の資料では提出することができない。

注意点

その他、電子申請の注意点を羅列していきます。いずれも試験によく出てくるポイント。

・申請人または代理人は申請情報に電子署名をし、添付情報はその作成者が電子署名をする必要がある

・電子申請の場合、住所証明書の提供を省略することができる

・電子申請で登記識別情報を提供する場合は、登記識別情報を入力する方法ですることになるのでスキャナにより電磁的記録に記録して送信することはできない

・登記申請を電子申請で行った場合、取り下げも電子情報処理組織を使う必要がある

・登記申請を電子申請で行った場合であっても登記識別情報の交付は書面で求めることができる

・電子申請により申請する場合でも、同一の登記所に対して同時に二以上の登記を申請する場合、各申請に共通する添付情報があるときは、一の申請の申請情報と併せて提供することで足りる

・電子申請において、申請、添付情報どちらも電子署名が必要(電子証明書も併せて提供する)

※書面で作成したものをスキャンした場合も電子署名が必要(スキャンした者の電子署名)

・調査士報告方式により申請を行った場合、送付の方法による登記識別情報を記載した書面の交付は行わないものとされている

・特例方式の場合、添付情報を持参か送付どちらにするかを申請情報の内容とする必要がある

・特例方式により書面で提供した添付書面は原本還付の請求をすることができる

書類の閲覧

これについてはまず結論としてこの表のようになります。

まず基本的に図面系に関しては誰でも閲覧と写しの交付を受けることができます。

図面系以外の附属書類に関しては利害関係を有する部分のみ閲覧可能。当然写しの交付は受けられません。

筆界特定書については公的な資料なのでこれも誰でも閲覧と写しの交付を受けることができるけど、それに関する手続き記録はプライベートな内容なので利害関係を有する部分のみ閲覧できると。

図面系と筆界特定書は誰でもOK。それ以外は利害関係を有する部分のみ!

と覚えておけばわかりやすいかと。